人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

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日々の風から 真夏の収穫――文学講座に参加して

孫たちは今回上京の第一のプログラムであるキャンプに行ってしまいました。出身幼稚園と教会学校が合同で行う2泊3日の合宿です。大型バス一台にスタッフの先生方とともにすし詰めで出発したとのこと。行き先は山中湖。親
元から離れて子どもたちはどんな体験をするのでしょう。すばらしい成長の糧となることでしょう。


文学講座


母を娘に託して、午後の数時間、文学講演会に行って来ました。思いがけなく友人からチケットが廻ってきました。チャンスとばかり飛び出していきました。有楽町の読売ホールへ。

日本近代文学館主催の夏の文学教室です。今週月曜日から土曜日まで6日間、一日3つの講義がありますが、私は2コマだけ参加しました。

一つ目の講演者は田中優子氏。法政大学教授で江戸研究の大家。テレビにもお顔の見える売れっ子学者さん。演題は『江戸っ子の江戸東京――京伝・一葉・石川淳――』

二つ目は作家古井由吉氏による『漱石と東京』です。

一葉と漱石が聴けるので大いに期待して出かけました。先だっての、仲間たちとの文学散歩以来、この2人の小説家には今熱い思いを抱いています。

漱石は、『三四郎』、『それから』に続いて『門』を読書中。漱石こそ日本文学史上最大の文学者だと思いを深めながら、唸りつつ読んでいます。詳しくはいずれの時に。

田中優子氏は涼しげな和服姿で登場です。なかなか粋です。語り口は簡潔明瞭。江戸の地図が現在形で頭に入っているようで、一葉の生活圏をいっしょに歩いたような気になりました。つい先頃文学散歩で訪ねた本郷菊坂も登場し、胸がドキドキしました。

古井由吉氏を目の当たりし、ああ、あの本を書いたのはこの方かーーと、有名人に会えた感動に浸ってしまいました。(ミーハー族なのです)
堅くて深くて渋いこの方の文体そのもののお話しぶりでした。ちょっと迫力には欠けましたが、甘さを抑えた大福に適温のお煎茶をいただいているようでした。
最後の一言が深く心にとどまりました。
「文学は声ではないか。自分一人の声ではなく、自分を越える声が筆を引っぱっていく」

ひどく納得できたのは、私が文学を理解したり体験しているからではなく、神様からの導きや語りかけに耳を澄ませ、その声を頼りに書いている、自分の姿勢に呼応するからです。

一流の小説家は書いている過程で、自分を越えた存在を知り、その力を認めながら創作していくようです。凡人たる私などは、そもそものスタートから祈って祈って一言一言いただきながら綴っていきます。彼らとの違いは大きいですが、偉大なお方の力なしにはできないという共通項を発見したのは、大きな収穫でした。
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日々の風から 四世代の再会

ひまわりロゴス氏
ロゴス氏より拝借


宅配で大きな段ボールが3箱届くと同時に、長女ファミリーがやってきました。すでに真っ黒に日焼けした5年生のSくん、2年生のMちゃんはそろって一段と背が伸びています。夏の樹木のように、ぐんぐんという形容がぴったりです。はち切れそうないのちを目の当たりにするのはなんという喜びであり恵みでしょうか。まぶしくて目を細めずにはいられません。

彼らは一番先に母の部屋に飛びこみ、大きな声をかけてくれました。残念ながら母はウエルカムを言えませんでしたが、いちいちうなずいていましたから、きっとわかったのです。

これから2週間、久しぶりに四世代が一つ屋根の下に寝起きします。最年少は8歳のMちゃん、最高齢は言わずもがな90・5歳の母です。大家族とは言えませんが、年齢差の80年余を思うとき、ひとり一人の存在がとても大切に思えます。老いも若きも神様によって生かされているのだと実感します。神様の恵みを感謝しながら、夏のひとときを楽しみたいと思います。

なによりも助かることは、長女がすぐに介護の戦力になってくれることです。ずっと日参してきた妹も安心してしばらく休息できるでしょう。孫たちも寝たきりの母を見ることは何よりの人生の勉強になるでしょう。何を感じたのか、Mちゃんがさっそく「自由研究は、おばあちゃん観察日記にしよう」と言ったのには驚きました。

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日々の風から  病院のはしご
ニコライ堂ニコライ堂2


日々の風から 病院のはしご

とうとう病院のはしごをする羽目になりました。一日延はしにしていた眼科へやっとの思いで予約を入れましたら、定期検診の日と重なってしまいました。幸い時間が午前と午後ですので決行することにしました。早朝から妹に母を託して飛び出しました。

定期検診では予約時間を20分ほどオーバーして診察室に入りました。主治医との問診はおそらく2分とかからなかったでしょう。つい2か月前に総合的に検査をして、数字的には問題がなかったので、主治医も気を抜いたかも知れません。私も細かい状況は敢えて語らずに済ませました。次回10月半ばを予約、それまでの薬を病院前の薬局でいただいて、次なる病院へ急ぎました。

眼科は御茶ノ水井上眼科です。数えてみたら18年前に飛蚊症でお世話になったことがありました。近年は地域の町医者に通いましたが頼りなさを感じましたので、今回は井上に決めました。
実に気持のよい応対や診察をしていただきました。外見を通してかいま見ただけですが、大きなビルの19階、20階にゆったりしたスペースで検査室、診察室、待合室が整っていました。まず快適な気分になりました。すべてシステム化されていて、料金まで機械で精算でき、待ち時間が少なかったのは感謝でした。

担当医は40代半ばの女医さん。大きな目と口でてきぱきと検査し説明してくださいました。不安も疑問も解消して、晴れやかな気分になりました。せめて目薬くらいはいただきたいものだと誘いかけてみましたが、あっさりとノーでした。物足りない気がしましたが、もちろん不必要ならそれでいいのです。感謝なのです。念のため3か月後に再度検査しましょうと、予約をしてきました。

ニコライ堂の前を通りましたので、一枚携帯から取りました。19階の待合室からは、真下に見えるではありませんか。まるで飛行機の上からの眺めのようでした。感動して思わずシャッターを押しました。何とか写っていましたのでご覧ください。この風景はめったに見られないのではないかと思いますが…。






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日々の風から 夏便り遠方より来たる
四日市だよりよっかいちより


孫たちが夏休みに入って、長女宅は家事大繁盛であろう。学校のプールも東京のように毎日は入れないようだ。なにしろ生徒数800人からのマンモス小学校なのだ。東京では200名足らずだった。800名でもプールはひとつだろう。そこへみんなが順番に入るのだから自ずと頻度は少なくなる。こんな事もあるのかと、教育事情の一つを知って考えさせられた。

海の日に、一年に一度の家族海水浴にいったとシャメールつきで便りが来た。海水浴日和でよかった!めったにない小さなお楽しみだもの、実現できてよかった!

この週末から2週間ほど我家に戻ってくる。涼しい?地方から灼熱の東京へ来ることになる。それでもそれが孫たちの大切な夏休みのイベントだ。実は私にとっても最大のイベントなのだ。

明日は母の帰宅日。しばらく在宅介護である。それに伴って、ヘルパーさんが出入りする。お風呂屋さんにナースさん、ホームドクターも来られる。助っ人の妹たちも行ったり来たりする。我家は千客万来となる。これでは暑い暑いとだらけてはいられない。
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日々の風から フリータイムその4 今宵の安眠を祈ります

まだフリータイムが続いているの?ずいぶん楽な介護じゃないですかと言われそうです。ほんとうにそう思います。ホームから、キャンセルがあったのでいかがですかと、延長のお誘いを受けましたので、そうさせていただいています。それもそろそろ終了です。この暑さです、ホームの方がどんなに快適でしょう。帰宅してからの体調が今から心配です。

ときどき、食事介助のためにホームに出かけていきます。次第に職員や入所の方々と顔見知りになりました。母のテーブルで必ず隣り合わせになるご婦人は、ふっくらとした丸顔に、お目もぱっちりとまーるいかわいらしい方です。母よりずっとおしゃべりもします。

思わず、おいくつですかと尋ねました。すると「そんなこと、知らないよ」と乱暴な言葉が返ってきて驚きました。職員がスプーンで食べさせようとすると「こんなまずいものを、よく食べさせるなー。いらないっ」と口を閉じてしまいます。職員が「107歳ですよ」と教えてくれました。「えっ、107歳ですか」ほんとうにびっくりしてしまいました。
百歳以上の方にお会いしたのは初めてです。まじまじと見てしまいました。世にも貴重な貴いいのちだと厳粛な気持になりました。

昨日のこと、107歳さんが見えません。心配になりました。聞きますと、職員の方が眉をひそめて「熱があるんです」と言われました。ああ、それはたいへん、きっと暑さのせいだろうと思います。母も食欲がありませんでした。皆さん、この一夏を頑張ってほしいと思います。

親友の母上が97歳で天に帰られたと報をいただきました。年齢を考えれば不思議ではないのに、すぐには言葉が出ないほど衝撃を受けました。この2年間は入退院を繰り返してなんども危機がありましたが乗りこえてこられたのです。でも、親友が祈り願っていたとおりに、一番よいときに御国に行かれたのでした。

10年間の介護は壮絶でした。親友はほとんど一人で、しかもフルタイムで仕事をこなしながら、介護されたのです。友のほうこそ倒れてしまうのではないかと心配しました。介護についてはあらゆることを経験なさいました。母のことで辛くなると友を思い出し、電話してはよくお話しを聞かせていただきました。ずいぶん参考になりました。

昼間の暑気しずまらずの夜ですが、さすがに静寂が漂っています。
母上を送った友の心境はいかにと思います。ホームの母が気になります。107歳さんのご容体も気になります。神様の愛のなかで平安な一夜が与えられますように祈るのみです。
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書林の風から フリータイムその4 読書紹介続き
『脳が冴える15の習慣――記憶・集中・思考力を高める』築山 節著(NHK出版)

脳が冴える15の習慣が整然と具体的に平易に紹介されている。それをピックアップする。
習慣1 生活の原点をつくる
 脳を活性化させる朝の過ごし方。手・足・口をよく動かそう。
 朝ちゃんと起きてますか?生活のリズムを失うことはボケの入り口・音読はなぜ脳によいのか・手で物を作る活動を朝の習慣に

習慣2 集中力を高める
 生活のどこかに「試験を受けている状態」を持とう
 時間と仕事の量の関係を意識する(時間の制約の中で仕事をする・だらだらやらない)
 できる人は仕事以外も大事にする・時間の制約は判断を効率化させる。

習慣3 睡眠の意義
 夜は情報を蓄える時間。睡眠中の「整理力」を利用しよう。
睡眠中も脳は動いている・夜の勉強は中途半端にやれ・最低でも6時間は寝よう・寝ないからよい結論が出ない。

習慣4 脳の持続力を高める
 家事こそ「脳トレ」。雑用を積極的にこなそう。
 若いときの雑用は買ってでもしろ・キーワードは選択、判断、系列化・家事は理想的な「脳トレ」

習慣5 問題解決能力を高める
 自分を生かす「ルール」と「行動予定表」をつくろう
 書類整理等のルールをつくる・一日の行動予定表を書く・問題解決に至るプロセスを書く・7つ以上の要素を同時には処理できない

習慣6 思考の整理
 忙しいときほど「机の片付け」を優先させよう
 頭の回転が速いのに物忘れをする人・思考の整理は物の整理に表われる・机の整理は優秀な上司を持つことと同じ

習慣7 注意力を高める
 意識して目をよく動かそう・耳から情報を取ろう
 小さな平面を見ている時間が長すぎる・人をボケさせる方法・目を動かすと脳が動く・目を動かさない人が陥りやすい症状・ラジオを使った脳トレ 

習慣8 記憶力を高める
 「まとめ」「ブログ」を積極的に書こう
 脳の入力→情報処理→出力を確認する・人に伝えることを前提として情報を取り入れる
 情報を脳の中で保持する・情報を解釈する、イメージで捉える・メモを取りながらテレビを見る・ブログを工夫して書こう

習慣9 話す力を高める
 メモや写真などを手がかりにして、長い話しを組み立てよう

習慣10 表現を豊かにする
 「たとえ話」を混ぜながら、相手の身になって話そう
話しを膨らませることができるか・実際に話を組み立ててみよう・伝わらないのは相手が悪いは禁句・専門用語はなるべく使わない・たとえ話をよくする人はボケにくい

習慣11 脳を健康に保つ食事
 脳のためにも、適度な運動と「腹八分目」を心がけよう
 生活習慣病と脳・高血圧は脳の働きを低下させる・まず体を動かすことが大切・太らない食べ方のコツ

習慣12 脳の健康診断
 定期的に画像検査を受け、脳の状態をチェックしよう

習慣13 脳の自己管理
 「失敗ノート」を書こう。自分の批判者を大切にしよう
 失敗は脳からの警告・小さな失敗から分析していく・失敗は同じ時間帯にする・人から受けた注意を書く

習慣14 創造力を高める
 ひらめきは「余計なこと」の中にある。活動をマルチにしよう
 クリエイティブな才能は脳の総合力・案ずるより書くが易し・交友範囲を広げる・活動を豊かにする・考えを練るには寝ることも大切

習慣15 意欲を高める
 人を好意的に評価しよう・時にはダメな自分を見せよう
 意欲はアクセルにもブレーキにもなる・小さな成長を認めて誉める・家族や部下の意欲を高めていますか・誉め上手な人は観察力が高い・出会いが脳を動かす

感想抜きで目次からピックアップした。疑問なところは本書をご覧あれ。好奇心もまた脳トレの重要な要素だと思う。こうして本を写したりまとめたり、ブログを書くのも脳のためによいことがわかった。

最後に一言。
クリスチャンが朝一番に神様の前に静まり、声を出して祈り、時に賛美し、聖書を読む(時に朗読)この習慣がどんなに脳トレになっていることか。神様がくださったよい習慣は単に信仰のためばかりでなく、健康のためにも役立つことであった。神様のご配慮にただただ感謝である。







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書林の風から フリータイムその3
『脳が冴える15の習慣――記憶・集中・思考力を高める』築山 節著(NHK出版)

介護に時間を取られないから、さぞかし読書がはかどるだろうなどと思いきや、それははかない理想論にすぎない。巧妙な時間詐欺に遭い、被害は甚大である。ただし、ふだん素通りの多い書店に立ち寄るゆとりくらいはある。

先だっての、文学散歩いらい漱石を繰っている。『三四郎』は読み終えたので、三部作といわれる次なる作品『それから』に進んでいる。我が行きつけの書店には岩波が少ない。それでもさすが漱石さん、書棚にしっかり座を占めておられた。よかった!

ついでに所狭しと平積みされている新書群へ目を落し、表紙だけを次から次へと眺めていく。目にとまったのが上記の本である。2006年11月に第1刷りが出て以来、08年2月ですでに第16刷りである。読まれている本であろう。30m万部突破とあった。

タイトルに気を奪われた。最近は脳という文字に弱くなった。脳が冴えると聞くと、ドキッとする。脳では最近ひそかに不安になっているからだ。冴えるどころか、現状維持もままならず、むしろたびたび後退の諸現象を確認するからだ。断っておくが、母のことではない。私自身のことである。
脳が冴える、記憶・集中・思考力を高めるとある。読まずにはいられないではないか。それにしても本のタイトルとはなんと威力のあることよ。

新書には当たりはずれがある。期待したほどでないものが多い。つい買ってみても、あっという間に読み終えて記憶にも残らないこともある。スナック菓子を食べるようだ。

一瞬迷ったが、結局『それから』とともにカウンターへ向かった。
並行読書である。漱石を数頁読むと、今度は脳…を繰る。そのうちに漱石は熟読だから急がないことにして、新書に没頭。おおいに勉強なった。記憶したくもなった。付箋を貼り張り突っ走ってしまった。

読みおえて、忘れないために整理しようと思い立ち、書林の風のカテゴリーを開くことにした。著者は脳神経外科の権威であられる。すでに『フリーズする脳』が出ている。

水色の太い帯には白い文字で下記のようなフレーズが並んでいる。

 *脳にもウオーミングアップが必要。足、手、口を動かそう。
 *夜は情報を蓄える時間。睡眠中の「整理力」を利用しよう。
 *忙しいときほど「机の片付け」を優先させよう。
 *日頃よくする失敗を分析すると、脳の問題が見えてくる。

 書きたいことはこれからですが、長すぎますので明日にでもまた。(続く)











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日々の風から フリータイムその2 施設在住の友人を慰問
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私の教会も日本の縮図で、高齢者が多くなりました。特に長寿高齢者になると病気は無くても老化が進んできます。ご本人と生活環境の事情によって、施設に入居する方々も増えています。

6月、7月は婦人会のメンバーが分担してご家庭やホームに慰問しました。私も、母のショートで与えられたフリータイムを用いて出かけていきました。

入所している姉妹は80歳。10年程前に脳梗塞を患い、以後後遺症のために歩行が困難になりました。独身のご長男が介護していましたが、姉妹の症状が進んできてついに在宅介護は無理になりました。同区内の施設には入れず、ようやく多少遠方ですが、入居できました。2か月になります。

立派な明るいホームでした。姉妹は笑顔で私たちを迎えてくれました。まだ80歳ですから歩行こそできませんが健康そうです。肉付きもよくお顔の血色もよく安心しました。ただし、ふだんの会話が少ないせいでしょうか、とても話し好きな方でしたが、質問にも応答ができない有り様でした。

仕方がないので一方的に話しかけ、また、来ますねと、手を取ってお祈りして帰ってきました。言いようのない切なさがこみ上げてきました。しばらくは、同行した姉妹と交わす言葉もなくうなずき合うばなりでした。

訪問者名簿を見まわすと、一日も欠かさずにご長男の名が記されていました。勤務があるのに、こんなに遠い場所までよくこられるなあと、胸が熱くなると同時にほっと安心し、慰められました。親子だもの当然と、云えなくもありませんが、できるようでできないものです。

寝たきりの姉妹はご長男の訪問をどんなに心待ちにしていることでしょう。きっと顔を合わせるだけで十分なのです。会話が弾まなくても、お互いの無事を確認しあうだけで満たされるのでしょう。

私たちも神の家族なのですから、いっそう頻繁に訪問し、祈り合い、言葉を掛け合って、主にある交わりを密にしていきたいと、あたらめてしみじみと思ったことです。


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日々の風から フリータイム その1 緑薫る軽井沢へ
緑薫る軽井沢へ 魂にも緑滴る祈りの霊をいただいて

母が、わりに元気にショートステイに出かけました。束の間のフリータイムがまた舞い込んできました。弁解させていただきますが、手放しでウキウキではありません。一抹の不安、数本の後ろ髪引かれる思いはあるのです。

計画犯なのですが、私のプログラムに合わせてショートの日を決めています。うまくいく時ばかりではありませんが、今回はO聖書学院のサマー・スクーリングと同窓会懇親会が出席可能になりました。

軽井沢恵みシャレーが会場です。2泊3日ですが私は中の日に日帰りで参加しました。朝9時からの講義に間に合うように早朝に長野新幹線に乗り込みました。降りたったホームで、約束していたS姉と落ち合い、今にも降り出しそうな雲行きの中を急ぎました。

朝方、猛烈な土砂降りだったそうで、途中雨はどうでしたと訊かれました。そう言えば熊谷あたりで、車窓に跳ね返る雨足を感じました。その雨も降り止んだのか、午前中の講義を終え、昼食を囲む頃には雲間から青空が覗き、陽差しも見られました。

軽井沢の緑は格別。顔を真上に向けないと先端が見えないような高い高い針葉樹が深い木立を作っています。木々はたっぷりと浴びた天の雫を惜しげなく滴らせています。木々の呼吸なのでしょうか、発散する濃厚な緑の匂いに陶然としました。有益な酸素が身体の隅々まで染みわたっていくようでした。

さて、身体の糧はさておき、講座からは霊の糧の饗宴にも与りました。
今年の主題は『祈りはあなたを変える』。メイン講師は開拓から40年ほどで会員数400名の大教会を形成した横浜本郷台キリスト教会の池田博先生です。3日間で5回の講義です。*祈りの土台(1)*祈りの土台(2)*祈りは人生を変える *祈りは勝利を与える *祈りは不可能を可能にする。

祈りの土台(2)ではイエス様の祈りが取り上げられました。よく語られる聖書箇所でしすが、一望にして教えられるとなんと深く貴いことでしょう。イエス様がどんなに祈られたか、涙と叫びを持って、ある時は早朝から、ある時は徹夜で、ゲッセマネでは血の汗を滴らせて、どんなに激しく父なる神に祈ったかを説かれてたましいが揺ぶられました。

観念の信仰ではなく、生きておられる神さまに近づき、親しく切々と祈る者に変えられたいと願いました。日頃の貧弱な祈りの生活を厳しく問われ、悔い改めて、新しく奮い立つ信仰をいただきました。個人の生活でも、教会でも、もっともっと主に信頼して祈らねばなりません。

祈らねばならないのではなく、祈らずにはいられないほど、祈りは楽しいものだと、小さな経験からでさえ、体得しています。一年、一年老いを重ねていくこれからは、座していても伏っていてもできる祈りの生活を大切にしたい、祈りをもって主に仕えたいと新しい希望が与えられました。祈りこそ希望の風、希望の緑風です。
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銀(シルバーエイジ)の風から 出張聖餐式
すみだのゆり


母が劇的に救われたのが2年前の7月5日でした。劇的というのは、信仰告白した直後に、まるで待っていたかのように、いわゆる介護老人になってしまったからです。まさにぎりぎりのところで救われたのでした。ほどなく、我家で洗礼式をしていただきました。

クリスチャン2年生になった母に、受洗2年の記念と感謝がしたくて、聖餐式を申し出ました。礼拝には行けませんから、これまでも時々出張していただいたのですが、今日もそうしていただきました。

礼拝後すぐに、17名の兄姉が駆けつけて聖餐の輪に加わってくださいました。母はベッドを起こすだけ、寝たままの参加となりました。パンもぶどうジュースも無事にいただいて、イエス・キリストの救いを確認し、教会の一員としての喜びも味わうことができました。兄姉がひとりひとり母に励ましのおことばをかけてくださいました。母は言葉こそ出ませんでしたが、いちいちうなずいていました。

母はここ数日体調がよくありませんでした。食欲が無く、一口食べても嚥下が困難で、朝食を終えたときはお昼になっていました。これから先どうなるのだろうと案じていましたが、昨日から食欲も出て、顔つきもしっかりしてきました。神さまが聖餐式にふさわしく整えてくださったのだとはっきりと知り、驚きました。

30度を超える炎暑の中へ、牧師夫妻をはじめ兄姉を見送りながら、次回はクリスマスかなと早くも指を折って数えたことです。母を見ていると、日々皆さんに祈られているのがよくわかります。イエス・キリストの恵みと教会の熱い祈りに支えられて生かされているのです。それは私とても例外ではありませんが。及ばずながら私も老いや病床にある兄姉のために精一杯祈っていくつもりです。

ふと、炎熱の中を、希望の涼風が吹きゆくのを感じました。
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