人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

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銀(シルバーエイジ)の風から ああ1321万人の物語

1321万人とは、敬老の日にちなんで発表された日本の75歳以上の方々の人数である。総人口に対して10.3%という。ざっと10人の一人が後期?高齢者なのだ。史上初なのはいうまでもない。この人たちが何らかの形で老いと戦っておられるのだ。一人一人にかけがえのない大きな人生物語がある。我が母を筆頭に、知り合いの人々を思い浮かべてしみじみとそう思う。そして人が生まれてから地上を離れるまでの歩みは決して簡単でははなく、特に老後はあらゆる面で厳しいと実感する。

母の最近を物語りたい。
皆様にはいつもお心遣いをいただき、お祈りしていただいて、感謝でいっぱいです。

2月に、大腿骨骨折、緊急入院、手術して人工骨を挿入した。4月に寝たきりで退院。以後、自分の足で立つことができなくなった。立つどころか寝返りもできなくなった。母の生活圏は畳一畳ほどのベッド小宇宙である。三食ともとろみ食を介助で摂取している。

日々と言えば、朝8時から1時間は訪問ヘルパーによるモーニングケアー、その後朝食。午後5時にヘルパーさんによる身体介護。水曜日は訪問入浴日。お風呂屋さんが大きなバスタブと看護師さんを連れて3人のチームでやってくる。月2回はホームドクターの診察、最近は週1回、訪問看護師さんが巡回してくださる。

先月から、エンシュアリキッドという総合栄養補助食品、一日一缶250ccが加わった。
薬もだんだん増えている。すこしづつ介護の種類が増えている。以前はなかった体位交換も2時間毎にさせなければならない。軽くなったとはいえ、大人一人の体重はかなりである。腰を痛めかけている。その時だけ、コルセットをシッカリ着装してとりかかっている。

母は昼も夜もほとんど眠っている。発語もめったにない。しかし声をかけるとシッカリうなずく。わかっているのだ。痛いところも苦しいこともないらしい。それだけが感謝。
この9月に介護度の更新があった。やはり要介護5であった。介護で使える点数がいちばん多いランクだ。ケアマネさんとよく相談し、計算して、目一杯使っている。

たびたび書かせていただいているが、介護制度の恩恵に十分に浴している。皆さん、プロの知識と経験でほんとうに熱心に介護してくださる。もし介護制度が無くて、今の状態の母を世話しなければならないとしたら、どうなっているだろう。

月に10日くらいはショートステイに託することができる。この時は時間を気にしないで外出することができる。これは何という幸いだろうか。申し訳ないほどだ。

かつて、私の愚かな人生観の中に母の介護はなかった。思いがけないことだった。否応なしに割り当てられた、正直いって避けて通りたい役目である。だが、老いていく母と密着する中で、老いの正体をしっかり教えられている。未知の世界の学習をしているのだとおもう。負け惜しみに聞こえるかも知れないが、貴い体験だとおもう。

命を生み育てる母としての役割と、子としての親の介護は、神様が人に与えた人生の大仕事だと思えてならない。神が創造したいのちに直接係われるのは、もしかたしら、たいへんな特権なのかもしれない。最近そのような思いに導かれている。
銀(シルバーエイジ)の風から comments(12) -
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comment
『腰』お気をつけください!!

わたしも、介護制度のおかげを
たっぷりいただいています。
ホント、ありがたいです。
From. のんびりハンナ 2008/09/15 19:06
お父上お元気ですか。ハンナさんも介護の戦場で戦う兵士ですものね。
From. ハンナさんへ 2008/09/15 22:01
誰でも人生観の中に母親の介護はないのだと思います。

私も今はまだありません。

母が祖母の介護をしたことを見てきたのに、
そうなのです。

頭のどこかでその姿を拒否しているのでしょうね。

きっと間違えなくやってくる「その日」は
与えられた時にやっと受け入れられるのでしょう。

希望の風さんの介護日記にはいつも愛情を感じます。
お疲れが出ませんように。
From. つっちー♪ 2008/09/15 22:09
人は勝手な者です、自分はあのように介護されることはない、きっとあっという間に天に帰れるのだと、90%くらい信じているのです。主は笑っておられるでしょうね。
From. つっちー♪ さんへ 2008/09/16 07:34
こうして女性キリスト者の先輩のお話を伺えることを感謝します。
ご一緒させていただいている今を大切に思っています。
From. チャキ 2008/09/16 19:08
年を取った者は若い人にはとても臆病になっているんですよ。チャキさんのように言っていただけるなんて、なんとうれしいことでしょう。ありがとう。
From. チャキさんへ 2008/09/16 22:40
身につまされます
人事では在りません
涙なくして読めませんでした
いつも、落ち着いて、大騒ぎせず
淡々と黙々と介護を為さる風さんの姿に
私は、いつも神様を見ていました
神様が背後で支えてくださっているのが
見えるのです
生意気言ってすみません
風さんの見本のような介護の裏に
しっかり神様と二人三脚を組んでいる姿
尊敬と同時に私の目標でもあります
神様によってそうならせていただきたいです
From. まこ 2008/09/16 23:11
決して黙々なんてものではありません。ぐちぐち、ぶつぶつ、落ち込んだりの連続です。唯一の救いはイエス様の助けです。皆様の祈りです。これで立ち直れるのですから、感謝です。
From. まこさんへ 2008/09/17 07:07
初めてコメントさせていただきます。
私はつっちーと共に洗礼を受けたばかりの新人クリスチャンです。
希望の風さんのブログは何度か拝見していましたが、学生時代から文章を書くのが苦手な私はコメントをする勇気がなく失礼していました。

私にも年老いた両親と義母がいます。
幸いなことに3人とも寝込むことなく、また惚けることもなく普通に生活していられますので、今のところは介護という言葉がピンと来ません。
ただそれぞれ85歳・79歳・82歳という高齢なので、いつ介護が始まるかは時間の問題のようです。

その時に自分を見失わないように、先輩のお話を聞いて備えておこうと思いますので、これからも時々こちらに寄らせて頂きますね。
From. Yukko 2008/09/17 09:29
コメント歓迎します。クリスチャン一年生とは何とかわいらしくまた、頼もしいことでしょう。孫ができたような気がします。失礼!

介護は突然やってくる、私の場合はそうでしたから。全く知らなかった別世界です。良きにつけ悪しきにつけ、です。書けば愚痴っぽくなるのですが、本心に従います。
From. Yukkoさんへ 2008/09/17 10:32
栄光が主に!!

風さん。MIXIへの
コメント 嬉しく♪

共感し合えること
嬉しく♪
From. 花鳥風月 2008/09/17 17:18
ほんとうに共感ですね。不思議なお導きです。お母上、お大事に。
From. 花鳥さんへ 2008/09/17 20:57









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