昨日の風から クリスマスに想う その6 あふれるクリスマスミュージック

  • 2007.12.20 Thursday
  • 10:53
この時期、町中のいたるところから賛美歌やクリスマスミュージックが聞こえてきます。スーパーはもちろん、駅ビルも、小さなショップもみんな、きよしこの夜やジングルベルです。レパートリーも増えました。教会以外でこんなにもクリスマスの歌が、聖書の世界が、堂々と歌われるのは実に喜ばしいことです。もれ聞こえる賛美歌に惹かれて教会へ入っていった人たちは数知れません。そのまま教会にとどまり続けた人たちはおおぜいいます。
 以前に書いたエッセーを載せます。
歌が生まれるクリスマス  
 
賛美歌『きよしこの夜』を知らない人はいない。この歌の誕生物語もまた有名である。歌は、オーストリヤの北西、オーベンドルフの寒村にある小さな教会で生まれた。
 時は二〇〇年ほど前の雪深い夜のこと、予想外のことが起きてムーア先生はあわてていた。明日はクリスマス・イブだというのにオルガンが鳴らないのだ。もう、修理はまにあわない。ムーア先生は音楽教師のグルーバーを呼ぶと、昨夜作ったばかりの詩を広げた。霊想満ちる詩であった。グルーバーはギターを抱くと、まるで旧知の曲のように爪弾いた。
 こうして、不朽の名曲は沈黙のオルガンのかたわらで産声をあげた。
 ご降誕に相前後して、二千年前のユダヤには三つの賛美が生まれている。
 第一は言うまでもなくマリヤの賛歌(マグニフィカート)である。乙女マリヤは、天使ガブリエルの受胎告知に信仰の従順で応答した。
 が、単身逃げるようにしてナザレを旅立つ。ユダの山里を目指して。親類の老女、祭司ザカリヤの妻エリサベツに会うためであった。エリサベツはつい六ヶ月前、奇跡的に子を宿した。マリヤは救い主の母になるという未曾有の大役に不安とおそれを覚えていたのかもしれなかった。
 ところが祭司夫人は『私の主の母がこられるとは、なんということでしょう。胎内で子どもが喜んでおどりました』と感嘆の声をあげて若き田舎娘マリヤを抱きしめた。謙遜と柔和が匂いたつような歓迎ぶりにマリヤの張りつめた心がやわらかくなった。なによりも命を宿す女性の豊かさと美しさに胸がふるえた。
 ふいに歓喜が吹き上げて、マリヤは高らかに歌声をあげた。
   わがたましいは主をあがめ
   わが霊は、救い主なる神を喜びたたえます。
 こうして、不滅の賛美はエリサベツの笑みのかたわらで誕生した。
歌声は老祭司ザカリヤにも聞こえたであろう。老いた妻の懐妊が信じられなくて、神から口を閉ざされ、深い沈黙の中にいたのだ。
愛息が生まれると、たちまち唇は解け、ザカリヤはマリヤに劣らず歌いにうたった。後世、ドミニクスと呼ばれる二つ目のクリスマス賛歌である。
三つ目は、赤子イエスが産声をあげ、飼葉おけにねむるころ、ベツレヘム郊外の野原に野宿する羊飼いたちが聞いた、天使の歌声グローリヤである。世の底辺を這うように生きていた彼らは、星々のささやきにまさる天群のコーラスに歓喜した。彼らはそろってご降誕の現場に駆けつけた。
三つの賛歌はイエス様の子守歌になったにちがいない。


今年のクリスマスには、信仰の先人たちにならって新しい歌をうたいたい。
世の理不尽な沈黙やわが心の闇を裂く、新しい歌をうたいたい。 








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