希望の風

人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

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# 日々の風から 秋は雨から

日々の風から 秋は雨から

 

季節が刻々と進んでいる。夏から秋に向かっている。雨が多い。季節の変わり目はたいてい雨がふる。春の長雨、秋の長雨と。季節を先導するのは雨なのだろうか。

 

傘の出番が多い。出したり入れたり干したりたたんだりと、玄関先の傘立てと家の中の傘の収納場所への移動や整理は私の仕事になっている。5人分の傘が右往左往する。愛用の傘から折りたたみ傘、簡易のビニール傘も仲間入りして、傘立てはぎっしりと満員である。

 

傘と言えばかすかに思い出すことがある。須賀敦子の本に出ていたが、彼女が言うのは、イタリヤ人は雨が降ってもめったに傘は使わない、日本人のようにすぐに傘をさす習慣はないと。ある時、雨が降ってきたので傘を持って夫を迎えに行ったら、彼がけげんな顔をして、手にした雑誌を頭にかざして走って行ってしまったそうだ。司馬遼太郎の著書にもあったが、雨が降ると、東京の人はすぐに傘を差し、あっという間に傘一色の風景になる、その早いことに驚く、大阪はそうではないと。これらはだいぶ前に読んだので、記憶違いもあるかもしれない。

 

急に雨が降ってきた時は、帰る人を傘を持って迎えに行くという風景がよく見られた。童謡に「あめあめ 降れ降れ かあさんが 蛇の目でおむかえうれしいな ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン」と、こんな歌があった! 今は死に絶えた光景か。

 

今朝から雨がひどく予定していた外出がままならない。時折止むのでその合間に出ようと狙っているうちにまた降り出す。外出と言っても緊急ではない。いわば不要不急なのだ。玄関を開けたり閉めたりして様子を見る。玄関わきのミニ花壇に、まだ毎朝咲き続ける真っ赤なハイビスカスと、夏一杯咲いてくれて今もまだつぼみを膨らませているバラを見つめる。

あと3日を残すだけとなった9月が惜しい。

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