人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

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天の星のように―母エバから母マリヤまで 美しき姉妹たち
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日々の風から 涼風を求めて その4

 

 

 

明日から24節気の分け方によれば「処暑」に入る。だんだんと暑さが収まるころという。確かにひところの40度の暑さと比べると少し質が違ってきている。しかし実際とはずれることもあり、異常気象の昨今では大いに狂うかもしれない。台風のシーズンというのは当たっているようだ。まだまだ本格的な秋風には至らない。

 

この夏はヘンリー・ナウエンを再読している。彼は生涯に40冊以上の本を書いた。日本語に翻訳されているものもかなりある。時に応じて読んできたが、今回は手元にあるものを全部取り出し、娘の書棚からの応援も得て片っ端から読むことにした。この夏の霊の涼風はナウエン氏からいただいている。

 

氏の著書は、内容は途方もなく深いのだが、わかりやすく、しかも、一冊一冊が分厚くない。それで、片っ端から、などと不謹慎な思いになったが、どうしてどうして、スイカを食べるようなわけにはいかない。再読の再読になり、なんども行ったり来たりしている。初めて読むのは「最後の日記」だ。

 

ナウエン氏はわずか64歳で急死された。世界中が驚いた。もともとオランダ人だが、その十年前からカナダのトロントにある「ラロシュ」の「デイブレイク」という知的障害者施設の司祭を務めていた。

 

その年、1965年9月からは、一年間の特別研修休暇「サバティカル・イヤー」に入り、日常から離れて、彼を愛し慕い支える幾人かの友人から提供される住まいやお部屋で、思索と執筆など自由な時間を過ごすことにしていた。

 

日記は9月2日、休暇初日の日から始まっている。そして、一日も欠かさずに1996年8月30日、休暇を終えて再びデイブレイクの自室に戻り、荷解きをして「サバティカル・イヤー」は終わったのだ。帰ってきて、よかった、で終了している。

 

9月に入って2週間後の15日、ナウエン氏はロシアのサンクト・ペテルブルグへ行くために、一晩オランダで休息をとった。それが彼の最後の日と場所になった。彼は故郷オランダの地で、93歳の父やきょうだいたちに囲まれて天に帰った。

 

64歳とは地上の生涯を終えるには早すぎるではないか。事実、ナウエン氏は新しい働きのために具体的なプランをいくつも立てていた。その真っ只中の「死」である。いかにも残念だ。今生きていてもたかが?!86歳なのだ。神さまのなさることは凡人にはとうていわからない。

 

神様が彼を愛し、ナウエン氏も猛烈に主を愛していたことだけはわかる。彼はいつも主と密なる交わりを持っていた。今はそのまま、場所を変えただけでよりいっそう親しく過ごしているだろう。ナウエン氏にとっても神様にとっても、地上も天上も同じなのかもしれない。お二人の間には時と場所に制限されない涼やかな愛の風がそよいでいるのだ。

 

この本はすぐにまた読まねばならない。その涼風に、私も思いっきり浸りたいから。

 

 

 

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