人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

日々の風から 断捨離中の思わぬ展開

日々の風から 断捨離中の思わぬ展開

 

一大決心をして「断捨離」を初めて早やくも一か月が過ぎた。順調に進んでいる、そのように言い切っていいと思う。断捨離と言っても、中心は「捨」である。ちなみに「断」とは不要なものを入れないの意だそうだ。この年まで生きてきた習いから、不要なものを簡単に買ったり引き受けたりはしないようになっている。いわゆる衝動買いなどからも解放されている。第一、経済力もないから。努めて「エコ」に生きるようになっている。

また「離」とは、物への執着から離れることだそうだが、これはたぶん「断」と「捨」の両方に影響してくると思う。執着がなくなれば「断」はたやすい。また、今あるものを「捨」できないのは、強い執着があるからだろう。

 

なんといっても中心は「捨」である。この場合は不要な品物を捨てることである。しかし「捨」とはむごい言葉である。捨てるという言葉にはいいイメージはない。暗く悲しい響きがある。捨て子、捨て犬、捨て猫、家庭を捨てる、妻を捨てる、夫を捨てる、恋人を捨てる、故郷を捨てる、仕事を捨てる、世を捨てる、信念を捨てるなどなど山のようにあるだろう。捨てるとは、破ることであり、壊すことである。もちろん、捨ててから向かう方向によっては「希望の捨」があるだろう。

 

「断捨離」の「捨」は新しく生きるための生活革命、改革の一つの手段にちがいない。捨の持つマイナスイメージを越えて、明日に向かう「希望の風」を呼ぶ「捨」でありたい。例えば、一つの物を捨てるについて、手に取ってそのまま座り込み、まつわる過去を思い出し、つい涙を流し、ああ、捨てられないとまたも度に場所に戻してしまう、この繰り返しでは前にすすめない。「捨」は心でするものだ。強い気持ちが要る。思い出のあるもの、思い入れのあるものを捨てるのは、まるで自分を捨て、自分がなくなってしまうような気になる。むなしくなり寂しくなる。「捨」には感情をかき乱す魔の力が潜んでいる。初心が見えなくなってしまう。「捨」に勝利するためには強い意志が要るのだ。まさに戦いである。それも自分との戦いなのだ。様々な思いを模索しながら、自分なりの、独断かもしれないが、頭の仲も心も整理整頓しながらの「断捨離」に励んでいる。

 

「捨」の部分で、時間を取られているのは「本」である。何十年も前からの手放せないものがかなりある。しかし、もういい、そんな思いもある。これから先、ふと開きたくなることもあるかもしれないが、子供や孫はおそらくないだろう。あまりにも古い。ほしかったらネットできれいな中古本でも買うだろう。今やそんな時代である。私自身が昨今は読みたい本はネットで買う。こざっぱりとクリーニングされた本が安価で買える。それらを考え併せて思い切って処分した。

 

ところが忘れていた数冊の本に再会して、心動かされ読み始めている。かつて読み込んだしるしのたくさんの付箋が貼られていてびっくり、こんなことをしていた自分がいたなんてと、懐かしい限りである。一冊は「フランス歴史の旅」(朝日選書 田辺保著)である。すっかり忘れてしまっていた。昨年の夏以来、遅まきながら堀田善衛に出会い、ずっと読み続けていた。主にスペインが舞台であった。当然フランスも出てくる。改めてフランスの歴史を見たくなっていたところであった。読み終わると同じ著者の本が読みたくなり「フランス 心の旅」を取り寄せた。たぶんこのまま田辺保とフランスへの読書の旅は続くはずだ。「断捨離」は思わぬ展開になった。私は「捨」の中から新しい読書の旅路を見つけた。このところせっせとその旅路を急いでいる。

 

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