人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

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天の星のように―母エバから母マリヤまで 美しき姉妹たち
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日々の風から 立春の風は奇跡の風

日々の風から 立春の風は奇跡の風

 

立春の日、近郊に住む同い年の親友から電話がかかった。最近は電話はめったにし合わない。通信手段はもっぱらメールである。携帯ではなく、PCに長々と書き合っている。それが、電話である。何かあったなと直感した。友の声は上ずり、感情が高ぶっているのが手に取るように伝わってくる。一瞬ドキッとした。が、次の瞬間、ハレルヤ!の歓声に変わった。お孫くんが某私大の医学部に合格したというのであった。それも特待生で学費他いろいろ配慮があるとのことであった。

 

お孫くんはクリスチャンホーム三代目、初代も、二代目も教会一辺倒のクリスチャンご一族だから、お孫くんも教会を家のようにして育った。中学、高校と、忙しい思春期の時期も教会から離れることはなかった。そんな話をよく聞かされてきた。受験のことも、ぜひ祈ってほしいと依頼されていた。

 

友の話によると、お孫くんは学業よりも部活動に力を入れ、高校生活を楽しんでいる、将来の進路ははっきり決まっているわけではなかった。友人は祖母であるから、距離を置きつつ、ただ黙々と祈り続けるだけであった。ところがお孫くんは三年生になってから、突然のように「医師」を目指したいと言い出した。両親も友人も目を丸くして言葉も出なかったそうだ。

 

友の親族周辺は普通の会社員か公務員である。医師も看護師もいないという。聞くところによれば、医師への道はまず資力が無ければ話にならない。たとえ国立の医大でも友の家では無理、その上学力も並み大抵ではない。ないない尽くしでどうなるのだろう。しかし友のご家族は、これは神様から来たものだ。「志を立てさせ、実現に至らせるのは神である」との聖書の信仰に立つことにしたそうである。

 

友はだからきっと実現するのだと固く信じたという。友は、神には不可能はないと、創世記から黙示録まで見渡した。お言葉一つで天地宇宙万物を創造された神、紅海の水を分けた神、難攻不落のエリコの城壁を崩した神、石ころ一つで巨人ゴリアテを倒した神、その他イエス様の数々の軌跡を思い出して、祈ったそうである。

 

目標の定まったお孫くんは一心不乱に勉学に励み、ご家族はひたすら祈った。及ばずながら私も祈った。センター試験はかなりよくできたそうである。それを目安に、私大にも国立にも願書を出した。まず私大から試験が始まり、一次、二次へと進み、ついに、栄冠をいただいたというのだ。友は、信じてはいたが、朗報を聞く一瞬前まで心が揺れに揺れていたそうだ。

 

グッドニュースを聞いたとたん、ああ、神様は、ご自分の力を発揮してことを成就してくださったのだ、これを奇跡というのだと悟ったという。友は重ねて言う、だから神様に感謝してくださいね、神様をほめたたえてくださいねと。私もそう思う。そしてお孫くんが近い将来、神と人に仕える立派なお医者様になることを、友といっしょに祈っていこうと思った。まさに立春の日に吹いた奇跡の風であった。

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