人生の逆風の中で見つけた希望の風を、小説、エッセイ、童話、詩などで表現していきます。

旅の風から 上五島のカトリック教会群を巡る旅 その13 最終日

旅の風から 上五島のカトリック教会群を巡る旅 その13 最終日

 

 

 

                           大釜で炊かれた鯛めし

 

夕食時のこと

二日目の夕食は前日に勝る大ごちそうでした。なんと伊勢海老のお刺身が加わったのです。調理を終えた伊勢海老の姿がお座敷の入り口に勇ましく飾られて、私たちを迎えてくれました。こんなお食事は生涯に一度でしょう。前日は旅のお世話役として奮闘されている副団長K兄の司会で20名全員が自己紹介をしました。二日目、最後のうたげでは名司会者として定評のあるN兄がほどよいスピードで「今回の旅で一番強く心に残っていること」を一人一人に振りました。もちろん旅は明日も続くのですが、この時点まででも話したいこと聞きたいことは山のようにあります。それを皆さんお一人ひとりが手際よくコンパクトにまとめて話されました。その新鮮な感想は、まるで生きのいいお刺身のようで、胃の府ではなく、心の奥深くにとどまりました。食事のメニューも皆さんの感想も記したいのは山々ですが、いつか後日に譲ります。

 

部屋友のこと

今回の2泊は学院創立時から今日まで25年間、変わらない友情でお交わりを続けているS姉と同室になりました。年齢も同い年。主にあって双子姉妹のようです。学院の大きな旅、イスラエル旅行、バッバ・ルターのドイツの旅もいっしょでした。いつも早朝の祈り、就寝前の祈りをともにしてきました。今回も同じスタイルです。プライベートな課題を出し合って祈りました。過去には同じデボーションテキストを使ったり、それそれで聖書個所を出し合ったりしましたが、今回は覚えている聖書個所をいっしょに暗唱しました。「主の祈り」、「使徒信条」は毎回ですが、それに「詩篇第1篇、23篇、103篇の一部、121篇」も加えました。親しき友と朝に夕に祈りあえることも、旅の大きな恵みです。

 

 

3日目最終日は帰路になります。教会見学は車窓から「桐教会」を眺めただけです。民宿「えび屋」前からバスに乗り込んで奈良尾港、そこからジェットホイルで長崎港、今度は一般のバスで長崎空港、そして羽田です。宿を8時に出発して羽田到着は夕方5時過ぎです。一昨日たどった道を逆に行くことになります。この旅はざっと往路一日、復路一日の道のりです。それだけ遠方なのです。めったに来られるところではありません。めったにどころか、確実に、二度とないでしょう。切ない思いがこみ上げてきます。

 

忘れがたき方々

三日目のバスガイドさんはかわいらしくたくましい女性でした。奈良尾港までのわずか90分、五島の海の飛び魚のように元気いっぱいにしゃべり続けてくださいました。忘れがたい女性です。「えび屋」の女将と次代の「女将」の2代の女性たちの姿も思い浮かびます。目鼻立ちのはっきりした五島肌の美女たちでした。お二人は道路まで出てきて、いつまでもいつまでも手を振りお辞儀をしておられました。ほとんど二度と客となることはないのに、精一杯、礼を尽くしてくださいました。

 

それにしても昨日一日中ともに歩いてくださった80歳の「巡礼ガイドM氏」に会えなくて、一抹の寂しさを感じました。氏のお人柄、そうでなく、風雪を経た信仰からにじみ出る渋い柔らかい温かい光が、私たち旅人をじわっと包み込んでくださっていたと、思えてならないのです。M氏は、迫害の凄惨な場面を決して声高に語りませんでした。この島全体に浸み込んでいる血やうめき声をことさらに掘り起こすようなことはしませんでした。そうした殉教者の悲しみや苦しみを、M氏が黙って一身に背負っているように見えました。M氏の血にはご両親、さらに隠れキリシタンであったであろうご先祖の方々のご苦労と祈りが流れていると想像しました。

 

信仰の証人

長崎空港で、チャプレンF師によって解団式が行われました。ひとまずここで解散という意味です。F師は、羽田の団結式の時に、「へブル書12章」を用いて、今回の旅の目的の一つは「信仰の証人」に会いに行くのだと言われました。その通りに、私も多くの歴史上の信仰の証人に会いました。書けませんでしたが、あの長崎西坂の丘で処刑された26聖人の一人は五島の出身者でした。「ヨハネ五島」と言い、彼を記念する像を2か所の教会で見ました。

 

しかし今回、出会った「信仰の証人」は過去の人ばかりではありませんでした。M氏を初め浜串教会の祈祷会の方々や江袋教会の鐘楼の下の老女性たちは「生きた信仰の証人」なのです。上五島の教会群は、隠れキリシタンゆかりの場所に建てられました。そのうちの29もの教会が今も信仰に生きているのです。私たちは、単に、止まった歴史、切り取った歴史、書き留められた歴史の「足跡を辿る旅」をしているのではなく、今も生きている教会とその証人に出会ったのだと思い当たりました。心が強く揺さぶられ、目の開かれる思いがしました。神のダイナミックなドラマは終わったのではなく、連続して今に至っているです。さらに、神は、進行する「神の大河ドラマ・信仰の証人」に、私たち一人ひとりをも巻き込んでおられるのだと強く教えられました。

 

『私たちの前に置かれている競争を忍耐をもって走り続けようではありませんか』

                           へブル12・1

 

 

羽田へ帰る雲間から、夕日を浴びる富士山がはるか眼下にかすんで見えました。

 

0月末から書き始めました旅日記はひとまず終了です。

かなり根を詰めた感が残っております。ホッとした思いもあります。

思いがけなくおおくの方々がお訪ねくださって驚いています。

そして、心から感謝申し上げます。

 

これをもとに、ペーパーで「希望の風」を編集中です。

ネットを使わない友人、知人のためです。

 

12月はすでにアドベンド第2週目。

皆様の上にイエス・キリストの真理の光があふれますように。

 

 

 

 

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